第七弾

小沢和義様バースディ企画も、本日で最後となります。
私の独断と偏見で選ばせていただいた作品を、ご紹介させていただいてきました。
もし、何であの作品がないの!?というのがありましたら、コメントをお願い致しま~す。

それではいきましょう。ラストを飾るのは「飼育の部屋」シリーズです。

拉致監禁が題材です。表面的なところしか捉えず、観ている方もいるようですね。特に男性。
題材が題材ですから、当然のように、ベッドでのシーン、あるわけなんですが、
そこしかご覧になってないというか、記憶に残ってないんでしょうか。
こういった感想を読むと、違うんだよ、と反論してしまいたくなります。
ただ、拉致監禁して、最後は捕まっちゃいました、という話なら、わざわざ和さんがやらずともよかったでしょう。

私は、シリーズの中で一番好きなのは、2の<終のすみか>です。
これが、一番深いような気がします。

怖いなぁ、と思うのは、和さん演じる松男が、普通の人にみえること。
仕事も普通にしてるし、コミュニケーションだってとれてないわけじゃない。
でも、拉致監禁という犯行に手を染めてしまう。
一見すると極々普通の人なのに、そのうちに狂気をはらみ、育て、開花させてしまう。
そして・・・。

でもこれは、現代の日本が抱える病、というか、現状のような気がします。
本当に、えっ、あの人が!?と言われるような、普通に生活しているように見えた人が、犯罪に手を染める。
誰がいつ犯罪を起こすか判断がつかないのは、何とも空恐ろしい感じがします。

しかし、どうして松男はこんな犯罪を起こしたか。
私には、松男は孤独だったんじゃないか、そう思えてならないんです。
孤独の魂、そんなものを抱えていて、抱えきれなくなって、同じような魂を持つものを求めた。
そして、孤独の魂は、自分だけを見て、自分だけを求めてくれることを求めた。
でも、1ではそれは叶わぬ夢として終わりを告げた。
2の、終のすみかでは、もしかしたら・・・、という淡い期待に持てたように思います。
ところが、予期せぬ闖入者によって、やはりピリオドを打つこととなる・・・。
思わず、遠藤さんのバカ~と、つぶやいてしまいました。すみません・・・。

もしかしたらわかりあえたかもしれない二人。犯罪から生まれた関係であっても、
その別れは何だか物悲しく、胸をつくものがありました。

バイク事故のシーンでは、思わず涙を誘われました。

私はどんな理由があろうとも、拉致監禁、許されるべきものではないと思います。
でもどうか、この作品を手にとられた方、拉致監禁というショッキング題材に惑わされず、
その心を、感じていただきたいと思います。

この作品は、素晴らしい作品だと、私は思います。
同じように思われてる方が、たくさんいらっしゃるのも知っています。
本当は、もっと書きたいんですが、ここまでかなり長く書いてしまいました。
また、近いうちに改めて、ご紹介させていただきたいと、そう思っています。


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