ちょいと

鬼平のお話がでたので、語らせていただこうかと。

私が初めて拝見した鬼平は、子供の頃、萬屋錦之介さんのものでした。
その時は、何故だか暗さを感じて、あまりおもしろいとは思わなかったんです。

そして、月日は流れ、現在の中村吉右衛門さんが演じることに。
これは、拝見する前からワクワクしてしまいました。
何故なら、吉右衛門さんのことは『斬り捨て御免!』の時から、好きだったんです。

確か、中学生ぐらいだったでしょうか。
第3シリーズで、金沢碧さんと、ただいちゃいちゃしてるだけだったんですが、妙にドキドキしていました。
当時は自分の思いをうまく言葉にすることができませんでしたが、今ならわかります。
この作品で、初めて男性の艶っぽさを、感じ取ったんだと思います。
それで、わけもなく、ドキドキしてしまったんだと。

内容的には、決して明るかったわけでもなかったんですが、吉右衛門さんのキャラクターが、
けっこう人が死ぬ作品なのに、暗く感じさせませんでした。
だから、鬼平役には、非常に期待しました。

結果は、もう、言うまでもありませんね。まさにハマリ役でした。
本当に、原作から抜け出してきたような素晴らしさです!

鬼平は、吉右衛門さんのお父様・先代松本白鸚さんをはじめ、丹波哲郎さん、錦之介さんが
過去に演じられてます。
すべて拝見しましたが、やはり私は吉右衛門さんが一番だと思います。
好みもあるかもしれませんが、あの男っぷりは、文句のつけようがないんじゃないでしょうか。
だからこそ、いまだに愛され続け、放送されているんではないかと。

もちろん、原作が素晴らしいというのはあるでしょう。
でも、その原作での魅力を、余すことなく演じられているのが、吉右衛門さんでしょう。
鬼平らしい懐の大きさ、すべてにおいての柔軟性を一番感じられるんです。
いかにも散々遊んだんだろうな、という感じがするんですよ。
実際、他の方々だって、遊ばれていたと思うんですが(笑)
そんなわけで、私は鬼平が、吉右衛門さんの鬼平が大好きです。

まだ原作をお読みになったことのない方、是非一度お手にしてみて下さい。
長編は少ないですし、池波正太郎さんの文章は簡潔で読みやすいです。
どうかトライしてみて下さい♪

鬼平について、のつもりが、吉右衛門さんについて、って感じになってしまいましたね。
失礼いたしました~。