世界の王

やはり、このことに触れずにはいられません。
ソフトバンク・ホークスの王監督が、昨夜の楽天戦をもって、お辞めになりました。
50年という、長いプロ野球界でのご活躍に、終止符を打たれました。
もう、プロ野球を観ても、王さんのユニフォーム姿を拝見することはできないんですね。

私が初めて好きになったプロ野球選手は、王選手でした。
ただ好きというより、尊敬していました。もちろん、今でも尊敬しています。

子供ながら、野球というのはアメリカが本場だということは知っていました。
そこの選手よりも多くホームランを打っている選手が日本にいる、これは何て凄いことだ!
そう思い、尊敬し、ファンになりました。

小学館から発行された漫画に、756号の世界記録を樹立された時の様子を録音したソノシートがついていました。
何度も何度も、繰り返し聴いていました。擦り切れちゃうんじゃないかっていうくらい。

選手を引退される時には、特集号も買いました。
まだ子供だったので、あまりいいものは買えなかったけど、宝物でしたね。

正確な題名は忘れましたが、『王貞治物語』みたいな番組がありました。
王さんの半生を、ドラマ化したものです。

その中で、高校時代のエピソードを観て、やっぱり王さんは素晴らしい!と思ったことがあります。
それは王さんが上級生になった時のこと。
まあ、運動部なんて大抵そうかなと思うんですが、早実では後輩達が先輩達のシューズやら何やら、
手入れをするのが慣例だったそうです。
でも王さんは、自分で使うものなんだから自分で手入れをする、そう言われ、後輩にさせなかったそうです。
それを観て、王さんは何て素晴らしい人なんだろう!やっぱり世界の王だ!と思いました。

そして、巨人の監督の後、ホークスの監督になってからはますます凄い方だと思わされました。
最初の頃は成績がふるわず、散々な目に合われました。

今でも忘れられない、生卵事件
あの王さんに向かってそんなものを投げるなんて言語道断!! 怒りに震えてしまいました。
「お前らそこになおれ!私が叩ききって成敗してくれる!!」とマジに口にしました。
いや本当に、真面目にそう思ったし、言いもしました。

でも、王さんは仕方がないと。成績が悪いのは事実だし、監督の王は、あの世界の王とは違うから、と
そんなようなことをおっしゃったんです。
もう、涙が出ました。この人はどれだけ大きな人なんだろうと。尊敬せずにはいられませんでした。

そんなことを乗り越え、優勝された時は、うれしくてうれしくて、ニュースを録画しまくりました。
今でも、まだ残っているはずです。

WBCで、選手としてだけでなく監督としても世界一なられた王さん。
しかしその後のガン発覚。天国から地獄のような状況だったんではないでしょうか。
それでも王さんは負けず、監督に無事復帰されたんですよね。

ファンとしてはうれしいけれど、もう休んで下さい。そう思いもしました。
だけど、できることならもう一度優勝して花道を飾ってほしいという願いもありました。
きっと、多くの方がそう願っていたんではないかと思います。

残念ながら、その願いは届かず、最終戦サヨナラ負け、最下位という結果になってしまいました。
それでも、やはり王さんは世界の王。誰よりも紳士たる、球界の名士だと思います。



王貞治

長い間、お疲れ様でした。
しばらくは、心身の疲れを癒し、休息をおとり下さい。
そして、また大好きな野球に携わって下さい。
いつまでも、お元気でいて下さい。
これからも、ファンとして応援しています。